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ピラミッド:建築編の変更点

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!!!ピラミッド建築は不可能か?
ピラミッドは宇宙人の科学力によって作られたと主張していたエーリッヒ・フォン・デニケンなどは、当時のエジプトでピラミッドが作成できないとする根拠をいくつも挙げた{{fn 中には現代の技術でも不可能だとほのめかすものまである。}}。

ピラミッドの建築が当時の技術では不可能だったという主張は、デニケンの根拠を引き合いに出すことが多いようだ。それは次のようなものである。

*エジプトにはヤシが少しあるだけで他に樹木はなく、石のブロックを動かすためのコロやソリを作る材料がなかった。つまり、石を動かすことはできなかった。
*コロやソリの上に乗せた石を引くロープも無かった。つまり石を動かすことはできなかった。
*当時の技術ではピラミッドで用いられているような巨大な石を切り出すことは不可能だった。
*切り出した石は大きすぎるし、重すぎるので運ぶことは不可能だった。
*ピラミッドの底辺はかなり正確な水平に作られている。高度な建設技術が必要だ。
*あまりにも正確な測量に基づいて作られている。

ひとつひとつ見ていこう。

!樹木が少ない
確かにエジプトの“現在の環境”は、木などが少なくピラミッドの建設に使われただろう全てのコロやソリを作成するのは困難だろう。しかし、ピラミッド建設時代(紀元前2500年前後)のエジプトは、今よりも幾分か湿潤な気候をしており、オークや松の木もあったことが知られている。
さらに大量の木材が必要な場合は、松や杉の豊富なレバノンなどの近隣諸国から輸入することも出来た{{fn 当時は既に諸国間での輸出・輸入などの交流文化があった。}}。

コロやソリを作る木材を用意することは可能だったのである。

!古代エジプトにロープはない
エジプトで使われたロープは実際に発掘されている。パピルスで作られたロープである。
逆にロープが無かったとする話がどこから出てきたのかが不明である。

エジプトのレリーフには、ソリとロープを使ってオベリスクや彫像を移動している状況が描かれているものもあり、ソリやロープが巨大なものの輸送に使われていたことは明らかである。

!石を切り出すことは不可能
当時のエジプトには鉄器がなく、銅製のノミと石のハンマーで石を切り出さなければならなかった。しかし、ピラミッドに使われている石は柔らかく、銅製のノミでも問題なく切り出せることが確認されている。

!重くて運ぶのは不可能
切り出した石は確かに重いが、オベリスクや彫像にはピラミッドの石よりも遥かに重い(数十倍)ものもあり、ピラミッドの石程度のものが運べないならば、オベリスクや彫像を運ぶことは完璧に不可能だったことになる。

しかし、実際はピラミッドの建設時代にも、もっと後の時代にも、実際に大きく重い石が運ばれていることからも、“運べない”とする根拠はない。

近年、単純な直方体であれば、ソリやコロとロープで運ぶよりも大幅に効率の良い運び方が発見され、少し前のエジプト学で考えられていたよりも遥かに楽に石が運べていた可能性も非常に高くなった。

カナダのNick Raina氏が考え出した方法で、半円形の木枠に石をはめ、転がして運ぶ方法である。Nick Raina氏はこの方法を用いることによって、7歳の女の子に200kg以上のものを引っ張らせることもできたという。

半円形の木枠はエジプトで実際に発掘されている。
つまりピラミッドの材料となる石を運ぶことは問題なくできたといえる。

!精度が高い
ピラミッドの底辺(土台部分)は確かにかなり良く水平になっている。大ピラミッドの場合、北西側の底辺と南東側の底辺では・高さの差がわずかに3.8cmしかない。

だが、水平については、かなり単純な方法で精度を出せることが知られている。ピラミッドの土台の周りに水路を作り、その水路の水面の高さを基準とする方法だ。水面は完璧な水平の基準となってくれるため、水平な土台を実現することは可能だった。

東西南北の向きは1.2m未満の誤差となっている。これは柱を立てて、日の出・日の入りの方向を記録し、その角度を2等分することでかなり正確に出すことができる。これを複数の場所で行えば、南北方向の正確な直線(そして平行線)を描くことも可能である{{fn エジプト学者の吉村作治教授は北極星と北の星を利用したのではないかといっている。どちらにしろ方法はほとんど同じ。}}。

クフ王やカフラー王のピラミッドの近くでは、この作業に使われたのではないかと思われる直線状に並ぶ穴が見つかっている{{fn クフ王のものと考えられる大ピラミッドは驚異的な精度で作られているが、他のふたつの有名なピラミッドはそれほどの精度にはなっていない。}}。

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アメリカのNOVAチャンネルでは、シカゴ大学のエジプト学者マーク・レーナー教授とアメリカ人の石工ロジャー・ホプキンズに依頼し、当時の技術と思われるものだけで、小型のピラミッドを作成することに成功している。
早稲田大学の考古学調査団も同じような試みを行い、当時の技術で1/14のピラミッドを作ることに成功している{{fn ひとつひとつの石の大きさはピラミッドで実際に使われている標準的な石の大きさに合わせている。}}。

建築会社の大林組は、1978年に現在の技術でピラミッドを作るとしたら?という見積もりを行うプロジェクトを行ったことがある。1978年の試算では総工費1250億円、工期5年、最盛期の従業者人数3500人という計算結果となった{{fn ピラミッドは工期20年〜30年、従業者数20万人と考えられている}}。

現代の技術でも作れないというのも、エジプト人が作れなかったというのも、明確な根拠はなく当時や現在の建築技術を貶めるだけのものだと言える。

マーク・レーナー教授とロジャー・ホプキンズ氏のプロジェクトでは、巨大なものを運ぶというのには、それに適した“コツ”や“慣れ”が必要だということが指摘されている。
必要なのは神秘的な力ではなく、実際的な知識・経験といったものだった。

大林組の担当者は、実際の建築技術よりもそれを成し遂げた組織力に驚いたと語っている。

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