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日本学術会議とホメオパシー

ホメオパシー

日本学術会議会長の談話

ビタミンK不投与事件の発生とその後の騒動を受けて、日本学術会議の金澤一郎会長が、2010年8月24日に談話を発表した。

最後の部分を引用しておく。

 日本ではホメオパシーを信じる人はそれほど多くないのですが、今のうちに医療・歯科医療・獣医療現場からこれを排除する努力が行われなければ「自然に近い安全で有効な治療」という誤解が広がり、欧米と同様の深刻な事態に陥ることが懸念されます。そしてすべての関係者はホメオパシーのような非科学を排除して正しい科学を広める役割を果たさなくてはなりません。

 最後にもう一度申しますが、ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されています。それを「効果がある」と称して治療に使用することは厳に慎むべき行為です。このことを多くの方にぜひご理解いただきたいと思います。

日本学術会議の記者会見の様子を以下のasahi.comの記事(アピタル・オリジナル記事)で読むことができる。

また、asahi.comでは記者会見で配布された資料(pdfファイル)も公開されている。なかなか面白いので必見。

関連ニュース

 日本学術会議(会長・金沢一郎東大名誉教授)は24日、代替療法「ホメオパシー」について、「科学的な根拠がなく、治療に使うことは認められない」とする会長談話を発表した。

 

 同会議が特定の手法を批判するのは異例。

 

 談話では、ホメオパシーに使われる手法について、英国の検証結果などを根拠に「荒唐無稽」と全面的に否定。内容を理解した個人が自身のために使う場合を除いて、治療などに使わないよう医療関係者に求めた。

 

 ホメオパシーをめぐっては、山口県で助産師がこの方法を実践し女児が死亡、親と助産師の間で訴訟に発展している。

日本学術会議副会長唐木英明氏インタビュー

やや日刊カルト新聞

会長談話への賛同

 患者に独自の砂糖玉を飲ませる民間療法「ホメオパシー」について、日本医師会(原中勝征会長)と日本医学会(高久史麿(ふみまろ)会長)は25日、医療関係者がこの療法を用いないように求める見解を共同で発表した。

 

 日本学術会議が24日に出した会長談話に賛同した。原中会長は「(ホメオパシーは)科学的にはまったく無意味」と述べた。高久会長は、ホメオパシーだけに頼り、きちんとした治療を受けないことが問題だと指摘した。

 

 また、長妻厚生労働相も25日、「仮に、本人の意思に反して病院に行かないようなことがあるとすれば問題。省内でよく議論し、実態把握の必要があれば努めていきたい」と述べた。

 日本学術会議の金沢一郎会長が「ホメオパシー」と呼ばれる代替医療の効果を否定する談話を発表したことについて、鈴木寛副文部科学相は26日の会見で、「統合医療と称する偽薬が普及し、国民の健康に大きな悪影響を与える蓋然(がいぜん)性が高まりつつある警鐘だと思っている。大変適切だ」と述べた。

 

 鈴木副文科相は、代替医療を西洋医学と補い合う存在と位置づけ、従事者の育成や研究予算の拡充などを公約に掲げてきた。

 日本学術会議の金沢一郎会長が「ホメオパシー」と呼ばれる代替医療の効果を否定する談話を発表したことについて、鈴木寛副文部科学相は26日の会見で、「統合医療と称する偽薬が普及し、国民の健康に大きな悪影響を与える蓋然(がいぜん)性が高まりつつある警鐘だと思っている。大変適切だ」と述べた。

 

 鈴木副文科相は、民主党統合医療推進議連の幹事長として、代替医療を西洋医学と補い合う存在と位置づける統合医療の考え方を推奨。自らのホームページで、代替医療を「漢方やホメオパシーなど」と例示し、従事者の育成や研究予算の拡充、質を保証する審査・評価基準設定などを公約に掲げてきた。

 

 金沢会長の談話発表後、漢方以外の言及を削除したが、会見で「本当に効く統合医療と、偽物の医療が混在していることで統合医療全体の信頼性を下げているとの問題意識を持ってきた。(談話は)私たちの言ってきたことともまったく反していない」と説明した。一方、日本薬剤師会は26日、「医薬品類似物が医療現場で使用されることは極めて重大な問題」などとするコメントを発表した。

日本学術会議会長の談話を受けて、以下のような団体が賛同の声明を発表している。

日本医師会と日本医学会

日本医師会と日本医学会の記者会見の様子は以下のYoutubeを参照。

通常の医療とは異なる民間療法「ホメオパシー」について、日本学術協会が「治療効果は科学的に明確に否定されている」との見解を示したことを受け、日本医師会と日本医学会の会長が25日、揃って記者会見を開き、全面的に支持することを発表しました。

日本薬理学会

日本獣医師会と日本獣医学会

日本歯科医師会と日本歯科医学会

日本薬剤師会

日本薬学会

日本助産師会

日本助産師会は、日本学術会議会長の談話に全面的に賛成し、会員に対し、助産業務としてホメオパシーを使用しないよう徹底するとのこと。

日本アレルギー学会

長妻厚労相の反応

上記の記事によると、長妻昭厚生労働相は25日、日本学術会議会長の談話を受けて、「本当に効果があるのかないのか、厚労省で研究していく」と述べたそうだ。しかし、日本学術会議の結論は「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されている」ということなので、今さら国費で調べることは税金の無駄である。

ホメオパシー団体の反応

ハーネマンアカデミー

帯津三敬病院

日本統合医療学会

JPHMA

日本学術会議会長の談話を受けて、JPHMAは8月25日にコメントを発表するとしていたが、すぐに『後日掲載予定です』と変更し、その後公開された見解が以下のもの。

JPHMAの見解についての批判は以下のブログも参照。

さらに、9月9日に以下のような文章も公開している。

なお、ここで、「ホメオパシー的立場による多数の研究において、高希釈薬の効果は立証されている」などとして引用されている文献に関しては、「ホメオパシーに否定的・懐疑的な論文」と「ホメオパシーの根拠」を参照のこと。

ホメオパシー国際評議会(ICH)については、「忘却からの帰還」の以下のエントリも参照。

「統合医療でがんに克つ」

日本腫瘍学会編集の雑誌「統合医療でがんに克つ」(2010年11月号、Vol. 29)で、「ホメオパシーの"エビデンス」という特別企画が組まれ、ホメオパシーについての日本学術会議会長談話と、これに対する日本ホメオパシー医学協会の見解が掲載された。

JPHMAの記事の最後には、以下のような但し書きがあり、その記事内容に編集部は責任を持つつもりはないようだ。

『統合医療でがんに克つ』編集部は、ホメオパシー医学協会を支持するという立場で、本「見解」を掲載したものではありません。本問題に関しては、あくまでも中立的な立場とさせていただきます。

日本ホメオパシー医学会

患者様がホメオパシーを受ける権利の保証を求める請願書へのご署名をお願いします】とのことだが、これはおそらく愚行権を保障せよということなのだろう。

ホメオパシーは本来のぬくもりある医療の一翼を担う代替療法の一つ」とのことだが、今回のビタミンK不投与事件に「ぬくもり」を感じることができた人は、いったいどれだけいるのだろうか?

「女性自身」の記事

9月7日発売の「女性自身」(9月21日号)に『日本学術会の「ホメオパシー効果否定」は患者を苦しめるだけ!』(p.66-67)という記事で、日本ホメオパシー医学会理事で東京女子医大の川島朗准教授の、ホメオパシーを擁護するコメントが掲載された。

しかし、こうした女性誌には、非科学的でオカルトチックな記事や広告が、昔から満載されているので、特に驚くことではない。