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2010/7/31の新聞報道とホメオパシー団体の反応

ホメオパシー

読売新聞の記事

2010年7月31日、読売新聞にこの事件の解説記事が掲載された。この記事には、ちゃんと「ホメオパシー」という言葉も登場。

この記事によると、厚生省が1989年に投与を促す指針を策定した結果、10万人当たりのビタミンK欠乏症の発症率は平均18人(78〜80年)から2人(90年)まで低下した、とのこと。つまり、投与しない場合、約5000分の1程度の確率でビタミンK欠乏症が発生するということ。投与しなくても問題はそれほど発生しないので、最初のうちはホメオパシーのレメディが効いていると勘違いし、事故が発生するまでレメディを投与し続けるという問題があることがわかる。根拠に基づく医療を行わない限り、同様の事件は今後も発生する可能性がある。

日本助産師会の岡本喜代子専務理事は「助産師は伝統医学や食事療法などを取り入れる人が多いが、極端に偏った考えの助産師がいたことを重く受け止めている」などと話しているが、唐木英明・東大名誉教授(リスク管理学)は「代替医療は『自然』『安全』といった言葉で語られるが、治療効果の検証が不十分で、医療従事者が提供すべき医療ではない」と指摘している。

効果の検証が不十分なまま、患者に提供されているということが、代替医療の最大の問題であるが、ホメオパシーの場合、効果がないということが科学的にほぼ確定している。

以下のリンクも参照。

朝日新聞の記事

同日、朝日新聞の「Be Report」にも「問われる真偽 ホメオパシー療法」(2010年7月31日付 東京本社朝刊)という記事が載った。こちらのほうがより掘り下げた記事になっている。

日本ホメオパシー医学協会会長由井寅子氏にもインタビューしており、ホメオパシーで治せる病気は神経病から皮膚病まで多種多様だそうで、「がん治療に可能か」との質問に対し、「そうです」と力強く答えたそうな。

「ニセ科学に詳しい」大阪大学の菊池誠教授は「分子が1個も残らないほど希釈するのだだから、レメディは単なる砂糖玉」とした上で「最大の問題は、現代医学を否定し、患者を病院から遠ざける点にある」と指摘している。

大塚北口診療所の梅沢充医師は「自分が実際に診た人のなかにも、ホメオパシーに頼った結果、手遅れになったがん患者がいる」と証言している。

由井会長の主張では、ホメオパシー治療では、病気の症状がかえって激しく出ることがあるが、それは治療で自己治癒力が向上したことの証しの「好転反応」で、有り難いことなのだそうだ。ところが、梅沢医師は、こんな極論を信じた結果、患者は症状が悪化しても「良くなっている」と思いこみ、病院に行くのを拒否する、とのこと。

記事の最後に、がんの代替医療の検証を行っている埼玉医科大学の大野智講師は「日本の行政はホメオパシーを含む代替医療について、ずっと当たらず障らずの立場を続けてきた。効かないものは効かないということも、国は責任を持って情報発信すべきだ」と指摘している。

以下のリンクも参照。

ホメオパシー団体の反応

ホメオパシージャパン(株)の反応

この件についてブログ「Not so open-minded that our brains drop out.」で詳しい解説あり。

上記のエントリでも取り上げられているホメオパシージャパン(株)の反応(メディア掲載情報)は以下の通り。

7月31日付の朝日新聞土曜版「 Be」で由井会長へのインタビューを含め「ホメオパシー」が特集され紹介されました。

 

最近、政府の統合医療推進の方針の中で、ホメオパシーも16の代替療法の検討候補に入るなど、ようやく日本でもホメオパシーの認識が高まってきました。

先日、国内のホメオパシー団体を代表して、由井会長が朝日新聞の1時間にわたるインタビューを受け、自然治癒力を触発するホメオパシー療法の説明、「症状はありがたい」というホメオパシー療法に取り組む上での基本的な考えかたや国際的な普及状況やなどを話されました。

 

なお、7月31日付の朝日新聞では「英国会は否定 No」とあたかも英国の健康保険制度からホメオパシーが外されることが決まったような誤解を与える記載となっておりますが、7月27日付で英国政府は、ホメオパシーの英国健康保険システム(NHS)の適用継続を発表。英国下院の科学技術委員会の勧告を否定しています。

また、信頼性に多くの科学者が異議を唱えた、2005年に科学誌「ランセット」に掲載された「ホメオパシーは効果がない」と結論づけた1論文のみを根拠に、ホメオパシーの有効性が否定されたような記事となっておりますが、ホメオパシーの有効性を肯定する数多くの研究結果や論文もありますので、詳しくはJPHMAホームページをご覧ください

どういうわけか、ビタミンK不投与で乳児が死亡したことについては触れていない。よほどこの事実をホメオパシー愛好家から隠したいのだろう。ブログ「Not so open-minded ...」や朝日新聞の記事にも書いてあるが、2005年のランセットの論文は110件の論文について調べたメタ解析の結果であり、そもそも「1論文のみを根拠」にしているわけではない。

確かに朝日新聞の記事ではNHSの保険適用継続を伝えていないが、ネット上にはフォローアップの記事が掲載された。一部を引用しておく。

実は、beの印刷が始まったあとの7月28日、英政府が議会の勧告に従わなかったことを知りました。すぐに英政府の26日付の回答文を読んだのですが、実は、「効果がない」ことには、全く反論がありませんでした。英政府としても「ホメオパシーの医療効果上の根拠は弱く、あるいは存在しない」という認識で、勧告に従わなかったのは「患者や現場医師らには選択の自由がある」ためとのことでした。

つまり、英国政府もホメオパシーに効果はないことに異論はないということだ。さらに、英国政府の回答「Government Response to the Science and Technology Committee report 'Evidence Check 2: Homeopathy’」の41項目目を見てみると、近年MHRA(英国医薬品庁)がマラリア予防とガン治療に奨励されていたホメオパシー商品を市場から排除したことが述べられている。つまり、由井会長の主張に反し、英国政府もホメオパシーがガンに効くとは考えていないようだ。

この件については、ブログ「忘却からの帰還」に詳しいエントリがあったので、そちらを参照のこと。

日本ホメオパシー医学協会の反応